私が子供たちに幼稚園から小学校卒業まで空手を強制しているのは、私が子供時代に味わった苦い経験からです。
子供というのは、無邪気でかわいいのですが、やはり大人と比べてモラルが低く、自分の思い通りにならなかったときに簡単に暴力で相手を言いなりにさせようとします。
ドラえもんに出てくるジャイアンがいい例です。
ジャイアンリサイタルを開いても、みんな本音はジャイアンの下手くそな歌なんて聞きたくないのです。
でも、ジャイアンが怖いからみんなジャイアンに従い、ジャイアンリサイタルに参加します。
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ジャイアンが怖いから従いリサイタルに参加
のび太なんかドラえもんがいるから、ジャイアンの横暴に対して、仕返しが出来ますが、ドラえもんがいなかったらジャイアンにやられたい放題です。
ですので、正しいことをしていても、力が強いものが納得できなかったり腹を立てたら暴力でそのルールや正しさが捻じ曲げられてしまうのです。
正直な話、私は子供の頃は病弱ですぐに扁桃腺をはらして熱が出るので、学校も休みがちでしたし、親も私がすぐに熱を出すものですから、スポーツや格闘技など体を鍛えるものは一切やらせませんでした。
なので、ものすごく体も細く、力もなかったので、喧嘩になるとやられることが多かったです。
それに子供の頃の私は控えめな方だったので、人の後ろについていくような人間でした。
よって、私が自己主張することもほとんどなかったのですが、大抵相手の方から一方的に殴られるという理不尽な経験をすることが多かったです。
ですので、小学校時代は自分の意思表示もなかなかできずに、嫌なことをされても嫌とは言えずに、ニコニコしたりして、今思うと非常に不遇な子供時代でした。
その時の私はそれが当たり前でしたし、喧嘩が強い人は得やな。
自分の思い通りに出来て。
こっちは弱いから言いなりや。
喧嘩が強い人間に生まれたかったな。
そんな感じで、喧嘩が強い子たちをうらやましく思っていました。
力がないと自分が正しいと思う正義を貫けないのですから。
本当に喧嘩が弱いことは無力だなと感じていました。
力がないと自分が正しいと思う正義を貫けないと無力さを
そして、大人になって体力が落ちだす31歳からフルコンタクト空手道場に入門して、空手を学ぶことになりました。
きっかけは本当にたまたまで、職場の先輩が空手に入門するという話を聞いて、それなら僕もやってみたいから一緒に行くというような感じでした。
空手に入ったら、簡単に強くなれる。
そんな風に思っていたのですが、現実はこんなに厳しい世界があるのか?
と思うぐらい厳しく、毎日組み手でぼこぼこにやられて、足は引きずり、胸は痛くて寝返りが打てない。
体中あざだらけで毎回のようにやめることしか考えられませんでした。
道場に練習に行っては自分より強い人たちにぼこぼこにされるのですから。
そして、私が入門したフルコンタクト空手道場は、新しい入門者がきてもすぐに辞めていなくなるので、5人から10人に一人が続いたら良い方でした。
入門して2日目から毎回のように自分より強い人からぼこぼこにされるので、当たり前と言えば当たり前の結果ですが。
私も本当に苦痛でいつ辞めてもおかしくない状況でした。
しかし、毎回辞めると思いながらも続けていくうちに、肉体だけでなく精神的に鍛えられて強くなっていることに気が付きました。
自分より強い人にぼこぼこにやられると分かっていて、戦うのですから、普通の人は逃げ出したい状況です。
その状況をいやいやでも逃げずに戦うのですから、強い精神力が付くのは当たり前です。
大会に出たら、更に強い精神力が鍛えられます。
初めの大会は顔面への膝蹴りで失神。
自分より強い相手と逃げずに戦うので精神力が強くなる
二回目は上段回し蹴りで倒されて一本負け。
それでも大会に出るのですから、精神的に鍛えられて強くなるのは当たり前です。
現在では、黒帯の部でも4位に入るぐらいの肉体的な強さは手に入りましたが、それでも、大会に出て対戦相手の黒帯を全員子ども扱いして倒した人と、先日の道場で稽古で組み手をしたらあばら骨を折られてしまいました。
なので、今でも精神的な修行は続いています。
このような感じで続けていますが、私が空手をある程度真剣にして、大きなメリットがあったと思う一つに精神的に強くなれたから、仕事や生活するうえで楽になったと言うことが挙げられます。
仕事では部長職をしているので、トラブルが多い従業員などを辞めさせたり、こじれた問題を解決しないといけないのですが、全く恐れることなく、ニュートラルな気持ちで対応できるようにいました。
昔の私であれば、本当にビビりながら、いやいや仕方なくやっていたのですが、今はそれが私の使命で、今回はどう解決しようかななんて余裕をもって対応できるようになりました。
このように空手で得るものが多く、真剣に空手をやったら肉体的に、そして精神的に間違いなく強くなれる。
そうなれば、私が子供時代に経験した悔しい思いを私の子供たちはしなくてよくなる。
力なき正義は無力なり 空手で相手を圧倒できる強さを手に
負の連鎖を断ち切れる。
そう考えて、子供たち全員空手を義務教育と決めました。
このことは現在の空手道場で監督になった今も、自分の子供だけでなく、道場生全員に教えています。
それは、空手道場に入ってくれた子供たちに私が子供時代に味わった無力さを感じてほしくないからです。
そして、生き生きと楽しく自分の思い通りの人生を全うしてほしいからです。
力なき正義は無力です。
そして、その力は空手を真剣にやることで、相手を圧倒できる強さを手に入れることが出来るので、強い自分になりたい人や子供を強い人間にしたい人はぜひ空手を始めてください。